ゆうれい パンジー

渡辺又日菴著 大正 写 2冊のうち坤巻

はパンジーで、慶応二年 冬、江戸から尾張に来た旨の注記があります。北欧原産で、伊藤圭介編著『植物図説雑纂』によると、文久2年 冬にイギリスから渡来したものです。同年冬に帰国した遣欧使節は、コスモスやクロタネソウなどの種子を持ち帰っていますが、それとは別ルートの可能性が高 いようです。

右の「六月柿・珊瑚珠茄子」がトマト。原産地は南米アンデス山脈地帯。日本では狩野探幽の寛文8年 写生が最古で、17世紀中頃に渡来したと思われます。「唐柿」「六月柿」「珊瑚珠茄子」の名で広まりましたが、幕末までは食用ではなく、鑑賞植物でした。 これは18世紀前半の写生。左はヤマトラノオとシダ類のイワオモダカ。朱筆は、小野蘭山が後に書き入れたものです。